第1回では、「なぜ celestial biome でPythonなのか?」という世界観の話をしました。
第2回では、実際にPythonを動かす環境を用意して、coffee.py というファイルに「今日のコーヒー」を出力するところまで進みました。
第3回の今回は、いよいよ 「データとして扱う」ための最初の概念 に入っていきます。
- 変数(へんすう)
- データ型(数値・文字列・真偽値)
と聞くと、少しだけ数学の授業っぽく感じるかもしれませんが、ここではもっと生活寄りに考えます。
例えば、ノートに
- 「2025/05/01 中禅寺湖 ブラウン 52cm 南西の風」
- 「今日のコーヒー:エチオピア浅煎り フルーティー」
と書き留めるように、Pythonの中にも
- 日付
- 場所
- 魚の種類
- サイズ
- コーヒーの名前
- ひとことメモ
を置いていくイメージです。
今回のゴールは、
釣りとコーヒーの「1件分のログ」を、変数を使って表現できるようになること。
難しいことはまだやりません。
まずは、「箱に名前をつけてデータを入れる」感覚をつかんでいきましょう。
この回のゴールとやること
この第3回でできるようになってほしいことは、次の4つです。
- 「変数とは何か」を、自分の言葉で説明できる
- 代表的なデータ型(数値・文字列・真偽値)のイメージが持てる
- コーヒー1杯分、釣り1回分のログを変数で表現できる
print()で、変数の中身を組み合わせて表示できる
これができれば、次のステップで扱う
- 複数件をまとめる「リスト」
- 項目ごとに管理する「辞書(dict)」
へスムーズに進めます。
変数とは?ノートの「項目名」のようなもの
まずは、変数(variable)という言葉のイメージから。
変数は、「値に名前をつけるためのラベル」 だと思ってください。
ノートにこう書くとします。
- 日付:2025/05/01
- 場所:中禅寺湖
- 魚の種類:ブラウントラウト
- サイズ:52cm
「日付」「場所」「魚の種類」「サイズ」という ラベル の横に、具体的な値を書いていますよね。
Pythonでも同じで、
date = "2025/05/01"
lake = "中禅寺湖"
fish_type = "ブラウントラウト"
fish_length_cm = 52
のように書くことで、
dateという名前の「箱」に"2025/05/01"という文字列を入れるfish_length_cmという箱に52という数値を入れる
ということをやっています。
変数の書き方の基本
変数の書き方はシンプルです。
名前 = 値
例えば:
coffee_name = "エチオピア浅煎り"
coffee_memo = "少しフルーティーで、朝の湖に合う味。"
cups = 2
= は「等しい」という意味ではなく、「右側の値を左側の名前に入れる」 という矢印のようなイメージで捉えておくと分かりやすいです。
代表的なデータ型たち 数値・文字列・真偽値
次は、変数の中身である「データの種類」について見ていきます。
Pythonでは、よく使うデータの種類(型)はいくつかありますが、まずはこの3つからで十分です。
- 数値(int / float)
- 文字列(str)
- 真偽値(bool)
数値(int / float)
int:整数(例:0, 1, -3, 52)float:小数(例:0.5, 3.14, -2.7)
釣りやコーヒーでいうと:
fish_length_cm = 52 # 整数(int)
water_temp = 12.3 # 小数(float)
coffee_grams = 15 # 豆のグラム数
brew_time_minutes = 3.5 # 抽出時間(分)
文字列(str)
テキストのデータは、文字列(string) として扱います。
lake = "中禅寺湖"
fish_type = "ブラウントラウト"
coffee_name = "エチオピア浅煎り"
mood = "夕方の風が気持ちいい"
"..." も '...' も、どちらも文字列として使えます。
真偽値(bool)
真偽値は、
True(真)False(偽)
の2種類だけです。
例えば:
is_released = True # キャッチ&リリースしたか?
is_raining = False # 雨が降っていたか?
is_morning_coffee = True # 朝のコーヒーか?
あとで条件分岐(if文)を学ぶときに、この真偽値が生きてきます。
コーヒーログを変数で表現してみる
では、第2回でつくった coffee.py を少しだけ育ててみましょう。
「今日のコーヒー」を、個別の変数に分けて書いてみます。
coffee_name = "エチオピア浅煎り"
coffee_roast = "浅煎り"
coffee_memo = "少しフルーティーで、朝の湖に合う香り。"
coffee_score = 4.5 # 5点満点中の自己評価
is_morning_coffee = True # 朝に飲んだかどうか
print("今日のコーヒー情報")
print("----------------")
print("名前:", coffee_name)
print("焙煎度:", coffee_roast)
print("メモ:", coffee_memo)
print("自己評価:", coffee_score, "/ 5.0")
print("朝のコーヒー?:", is_morning_coffee)
print()のところで、
- 文字列と変数をカンマで区切って並べる
という書き方をしています。
こうすると、Pythonがいい感じにスペースを挟んで表示してくれます。

釣りの1回分のログも変数で書いてみる
次は、釣りの1回分の記録を変数で持たせてみます。
※あくまで例なので、自由に自分の実際の条件に書き換えてOKです。
date = "2025/05/01"
lake = "中禅寺湖"
fish_type = "ブラウントラウト"
fish_length_cm = 52
weather = "くもり時々晴れ"
wind = "南西の風"
is_released = True
print("今日の釣りログ")
print("----------------")
print("日付:", date)
print("場所:", lake)
print("魚種:", fish_type)
print("サイズ:", fish_length_cm, "cm")
print("天気:", weather)
print("風:", wind)
print("リリースした?:", is_released)

ターミナルで python3 coffee.py を実行すると以下のようにログが出力されます。

ここまで来ると、ノートに書くのと感覚はあまり変わりません。
ただ、Pythonの中に入っていることで、
- あとで「50cm以上の魚だけ」を抽出したり
- 「ブラウントラウトだけ」を集計したり
といった、データとしての遊び方 ができるようになります。
型を確認する type() 関数
変数にどんな型のデータが入っているのか、Pythonに聞いてみることもできます。
それが type() という関数です。
coffee_name = "エチオピア浅煎り"
fish_length_cm = 52
is_morning_coffee = True
print(type(coffee_name))
print(type(fish_length_cm))
print(type(is_morning_coffee))

実行すると、例えばこんな風に表示されます。
<class 'str'> <class 'int'> <class 'bool'>
str→ 文字列int→ 整数bool→ 真偽値という意味です。
「あれ?この変数って何が入ってたっけ?」と迷ったときは、
type()に聞けばOKです。
文字列と数値を一緒に出力するときの注意点
初心者がよくハマるポイントを、ここでひとつだけ触れておきます。
次のようなコードは、エラーになります。
fish_length_cm = 52
print("サイズは " + fish_length_cm + "cm です")
Pythonは、
"サイズは "→ 文字列fish_length_cm→ 整数(int)"cm です"→ 文字列という扱いをしているので、
「文字列と整数を
+でくっつけるのは無理!」となって怒られます。
解決方法はいくつかありますが、今の段階では2つだけ覚えておけば十分です。
1. str() で数値を文字列に変換する
fish_length_cm = 52
print("サイズは " + str(fish_length_cm) + "cm です")
2. f文字列(f-string)を使う
fish_length_cm = 52
print(f"サイズは {fish_length_cm}cm です")
f文字列は、
- 文字列の前に f をつける
- 中かっこ {} の中に変数を書く
という書き方です。
今後もたくさん使うので、「こういう書き方があるんだな」と頭の片隅に置いておいてください。
今日のまとめ 「ひとつの釣行・一杯のコーヒー」をデータとして持つ
今回は、
- 変数:値に名前をつけるラベル
- データ型:数値(int, float)、文字列(str)、真偽値(bool)
- コーヒー1杯分のログを変数で表現する
- 釣り1回分のログを変数で表現する
というところまで進みました。
ここまでできていると、すでにあなたは
「自分の世界観(釣り・コーヒー)を、Pythonの中に持ち込めている状態」
です。
あとは、この「1回分のログ」を
- 1日分
- 1シーズン分
- 1年分
と積み重ねていくだけで、自分だけのデータベース に育っていきます。
次回予告 複数件のログを扱うためのリストと辞書へ
次回からは、いよいよ
- 複数の値をまとめて扱う「リスト」
- 項目ごとに情報を持てる「辞書(dict)」
に入っていきます。
例えば、
- 「今シーズンの釣りログを全部リストにする」
- 「1件の釣行を辞書で表現する」
といった形で、
「ノート1ページ分の情報」
をPythonで表現できるようにしていきます。
そこまで行くと、
- 「今シーズンで一番大きかった魚」
- 「エチオピアのコーヒーだけを抽出」
など、ちょっとした集計や分析 ができるようになってきます。
引き続き、湖とコーヒーと一緒に、ゆっくり進んでいきましょう。




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